卒業制作の記録

企画とか、先生から貰ったフィードバックや、機構や、調べたことについてつらつらと

テーマ研究発表の評価

今泉 体験者がそれぞれに個性的であるということを示すために、通常着目される体重や身長などの数値ではなく、鞄の中身の重さに注目するのは一つの見解だと思う。ただ、結果的に出てくる音声(楽曲的なもの)が自分の属性から生まれたユニークなものであることを視聴覚的に認知させようという目論みは分かるが、説得力のあるものになるのか、不安が残る。事前に十分なチューニングを求めたい。
森山 マイ・フェイバリッド・ミュージック:音楽の享受に<特別感>をもたらす。その特別感を鞄の中身から割り出す。個別ではあるが特別と言えるでしょうか。また映像は鞄の重さによって、あらかじめ用意・決定されているものなのでしょうか。さらにパフォーマンス、特別感は享受のみならず発信に帰結するのですか。
長澤 取り組もうとしていることは、なんとなくわかる。どんな仕組みで目的の効果が得られるのか、ちょっと想像がつかない。まずは、試作ユニットを作成して、効果実験をしてみないと、想定した効果が得られるかどうか、わからない。とにかく、この種の取り組みは、最終審査段階で、故障していたり、不具合が起こる危険を伴うので、注意深く進めてほしい。ちょっと欲張り過ぎのきらいも感じる。
井口 卒研テーマとしては、サブタイトルにある“特別感”をどのようなものを想定してアプローチするかにとことんこだわって欲しい。その上で、どのような要素やパラメーターを使ってシステム設計するのかを検討すること。インスタレーション作品として、「何となく人とは違うような“特別感”」では実感に乏しく物足りない。
井上 見に来た人が自分の「かばん」の中のものを出してくれるのかどうか、、、。 「モノ」の中の「重さ」に注目したのは面白いと思いますが、「万年筆」と「ボールペン」の重さの違いを取り出せるほどの精度を出すのは、結構難しいと思うので、がんばってくださいな。
佐藤 かばんの中身という豊かな情報を、重さだけで代表させる点が乱暴である。扱えるデバイスから発想することは企画の現実性を確保する上で大事なことだが、センシングに関しては同じ圧力センサの利用でも、もっと工夫ができるはず。
白石 個人的に購入した楽器はすべて特別感があります(笑)。 さて、内容はかばんの内容はどうであれ、重さに一元化することと特別感(個別化・差別化)は相反することだと思います。 提案内容は楽器というよりはDJ機器とかオーディオ機器と言ったほうがしっくりくるような気がしました。演奏しているとユーザが感じる仕掛けを強化してほしいと思います。
高山 持ち物で人間のアイデンティティを認識するという考え方は、マクルーハンの「人間の拡張」を何となく彷彿とさせるような気がします。技術的な部分などは今後しっかり取り組むと思いますので、あとはメディア学的なコンセプト部分についてしっかり調査を行って裏付けを進め、最終的にはそれを表現へと昇華させてください。